【この人に聞く】片瀬山駐在所の24年ーその4

片瀬山駐在所 佐武さん ~最近の犯罪事情と思い出に残る事~

最近の片瀬山の犯罪事情
ーー犯罪事情について話を聞かせて下さい。
佐武さん
「特殊詐欺」


片瀬山では、この5~6年だけでも3~4件/年のペースで発生しています。犯人側にお金やカード等が渡らない、いわゆる未遂ケースを含めるともっと多くなります。最近は金融機関や警察官を騙って家を訪問し、キャッシュカードをだまし取る手口や家人の隙を見て本物のキャッシュカードが入った封筒と偽物のカードが入った封筒をすり替える手口が増えています。電話でキャッシュカードの話がでたら詐欺だと思ってください。また、暗証番号は、金融機関や警察官を名乗っても、電話や自宅などで絶対に教えないようにしてください。 片瀬山の皆さんのお宅に警察官を名乗る者から電話があったり、訪問してきたりしたら、「駐在さんに話を通して!」と言って断って下さい。私が責任をもって対応します。
「ひったくり」
昨年から今年にかけてひったくりが発生しています。ひったくり被害を防ぐためには、バッグをタスキ掛けにしたり、なるべく明るく、人通りの多い道を歩くなどの対策をとってください。
「空き巣・忍込み」
昨年、片瀬山で3件発生していますが、手口は窓ガラスを割っての侵入です。空き巣などを防ぐために、空き巣犯が嫌がる3つの要因についてお話をします。
一つ目は、音です。犯人は大きな音を嫌がります。扉や窓ガラス等を破壊したり、開けたりすると大きな音の出る防犯センサーを設置したり、歩くと音が出る防犯砂利を敷いたり、知らない人を見ると吠える犬も効果的です。
二つ目は、光と視界です。犯人は姿を見られることを嫌がります。人等を感知して照明が点灯するセンサーライトを設置したり、設定した時間に室内灯が点灯するシーリングライトも夜間不在の時には効果的です。庭木の刈込をこまめに行い身を隠す場所をなくすことも重要です。三つめは、時間です。窓ガラスを防犯性を高めた合わせガラスに変えたり、腰高窓に面格子をしたり、補助錠を付けたりすることによって侵入にかかる時間が長くなり、周囲に発見されてしまう危険性が高くなることを嫌がります。
ただし、これらを実施したからといって絶対に空き巣被害に遭わないということではありません。住み始めて10年、20年、30年…入られなかったから大丈夫などという考えは持たないようにしましょう。例え窓ガラスを壊されたとしても、家の中には入らせないようにすることで被害を少なくすることができます。

「2016年県民の警察官」授賞式でのご夫婦の写真

ーー片瀬山駐在所勤務(23年間5ヶ月)の中で記憶に残る出来事とは?
佐武さん長い年月を務めてきたので、本当にいろいろなことがあり、どれか一つを挙げるのは難しいです。しかし、時には、落とし物が返って来たからと私の子供にまで「ありがとう」と言って下さる方もいて、業務活動に対して感謝という形で返って来る事が嬉しく、励みになっています。嬉しいことの方が多いので駐在所勤務を続けることが出来ています。
ーーこれからの片瀬山駐在所勤務についてのお考えは?
佐武さん:都市部の駐在で24年目と云うのは珍しくなってきました。他の署の駐在所仲間とも連絡を取り合いながらお互いに「駐在所は警察の最後の砦、最後まで頑張ろう」と励まし合っています。異動は何時あるかわかりませんが、出来る限りこの地でやっていきたいと思っています。

ーー今月(8月)は54歳の誕生日を迎えられますね、おめでとうございます。貴重なお時間を我々のインタビューにお答え頂き、ありがとうございました。  これからも片瀬山住民の「安全・安心」を守って頂きたく、よろしくお願い致します。
最後に佐武隆一さんのプロフィールをご紹介
さたけ・りゅういち 昭和41年8月生まれ。横浜市神奈川区出身。
平成 2(1990)年 神奈川県巡査拝命、伊勢原署、神奈川署、厚木署を経て
平成 9(1997)年 藤沢警察署片瀬山駐在所赴任、現在に至る。
平成24(2012)年 警部補昇任  
平成28(2016)年 産経新聞社から「県民の警察官章」と表彰状授与

(Interviewed By MA)