片瀬山誕生以前から働いている片瀬配水池：災害時に頼りになる水がめ
1丁目の高台に「片瀬配水池」という巨大な貯水池があります。その存在を知らない方もいらっしゃるかもしれません。前回に続いて水道局のYさんとKさんにお聞きました。
片瀬山1丁目の小高い丘にある 片瀬配水池 というのは何をしているのでしょうか？
ーーYさん そこには大きな配水池が地下に存在します。1日に約7900㎥の水を約11700戸に届けています。その供給範囲は、江の島、片瀬、川名、鵠沼の一部となっています。腰越配水池（前回ご紹介したいわゆる 給水塔）の3.4個分の7360㎥の容量があります。
片瀬山には水は供給していないのですか？
ーーYさん 高さが足りなくて片瀬山に給水していません。片瀬配水池の水面高は61.5ｍ～65.5ｍですが、腰越は77.2ｍ～82ｍと10ｍ以上高くなっています。片瀬山に水を供給するためにはこの差が必要で、腰越配水池を作ったのだと言えます。
いつ頃できたのでしょうか？
ーーYさん 実はこの片瀬配水池というのは、２つの大きなコンクリート製の水槽（1号池と2号池）でできていて、小さい1号池は片瀬山造成以前の1956年（昭和31年）に完成しました。住宅地ができる前のゴルフ場ができた翌年の事です。2号池は1969年（昭和44年）に完成しました。こちらは片瀬山住宅地の造成と同じ頃です。
芝生から大まかな様子がわかる
災害時に特別な役割があるということですが・・
ーーYさん はい、大きな災害が起きた時は、市内全配水池からの給水を必要に応じて遠隔でコントロール・停止します。いよいよということになった時は、市内4か所の指定配水池で一定の水量を確保して、その近くのエリアの市民がペットボトル２－３本分/日の水を何日間か給水車等で受け取れるようにします。その指定配水池の一つがこの片瀬配水池なのです。
災害時には、現在ここの水を使っている片瀬・江の島・川名だけでなく片瀬山、さらに幅広く藤沢市南部の多くの方々に水を配る拠点になります。
片瀬山の自治会が災害時対応として、大坂＋片瀬山内中央道路（片瀬配水池～片瀬中学～片瀬山入口）の無電柱化を市に申入れした と聞きました。それは災害時の給水にも役立つのでしょうか？
ーーYさん その区間で電柱が倒れて給水車が通れなくなれば、藤沢市南部への水の供給ができなくなりかねません。無電柱化の提案は、水道局にとっても藤沢市南部地域の住民の皆さんにとっても大変ありがたい提案だと思います。
あと水道局PRをどうぞ！
ーーYさん 今ちょうど50年経過した（1971年：昭和46年～）水道管の更新の時期になっています。管が錆びてきているのです。耐震性と耐久性を高め100年持つようにと、水道管の交換工事を進めています。片瀬山も50年過ぎて各地でご迷惑をおかけしますが、将来のためにご理解いただきたいと思います。
どうもお忙しい所ありがとうございました。
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ReporterS:現地の写真を撮影するとともに、過去の資料を探しました。
配水池２の完成時期が昭和44年だったことから、三井不動産の片瀬山パンフレットの写真を調べてみました。1丁目の造成時期に撮影されたこの航空写真にはしっかりと、建設工事中の片瀬配水池2号池が映っていました。今はこの上に芝生が広がっているわけです。
今回の取材で片瀬山の高台に水を届けるため、そして災害時に水を届けるため、50年前から多くの人たちが配水池を整備していたこと、そして今水道局の皆さんは100年後のために仕事をしている事がよくわかりました。今回ご協力いただいた神奈川県企業庁藤沢水道営業所の皆様に改めてお礼申し上げます。
（Reported By S)
◆◆◆◆【始まりを探して】シリーズコンセプト
片瀬山ができて50年以上たちました。長い間に少しずつ整備されてきた施設・モノ（ハード）や仕組み・制度・活動（ソフト）等の始まりの時に、どんなことがあったのか、どんな思いがあったのか？今に残るモノ、資料、証言などを調べて伝えることで、その価値や将来について考えるシリーズにしたいと思います。ご期待ください。
【本シリーズからのお願い】片瀬山に関係する古い写真や資料をお持ちの方はお知らせください。例：片瀬山のパンフレット、周囲の様子がわかるスナップ写真、学校・幼稚園・プール・公園等の写真、バス等公共機関等の写真、当時の新聞記事、自治会の資料、卒業アルバム等古いものであればあるほどありがたいです。皆様のご協力をお願いいたします。
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