片瀬山についての実態をデータや事実を元にして調べてみる事で、巷間言われている事が本当なのか?本当ならどの程度のものなのか?を探ってみます。今後不定期ではありますが、様々な事を調べてご報告いたします。「ちょっと数字が多くてねー」と言われそうですが、へえ~!と思う事が沢山ありますよ。
「片瀬山は人口が減少し高齢化が進行して、将来大変!」は本当か?
よくこうした説が聞かれます。事実はどうでしょうか?片瀬山は約50年前に40歳前後のサラリーマンを父親とするファミリーが一斉入居して始まり、地道な住環境維持の努力の結果として今に至っている街です。その入居第1世代が退場する時代を迎え、全国で近郊住宅地の空洞化が騒がれる中、同様に深刻な事態を迎えているのではないか?とご心配の方もおられると思います。これ、本当でしょうか?まず藤沢市の人口統計*を調べてみましょう。これは藤沢市のホームページで入手できます。
人口と高齢化率を調べてみた・・
さきほどの説は間違い!
片瀬山全体の人口(1丁目~5丁目)の2003年~2020年の人口とその時点の高齢化率(65歳以上)推移をグラフにしてみました。2015年頃まで心配通りの人口減少と高齢化が着々と進行しています。この頃こうした説が生まれ、信ぴょう性を持ったのは当然の事です。
しかし2016年以降、人口減少は頭打ちとなり高齢化率はむしろ低下し始めて、40%を切りました。2015年以降何が変わったのでしょうか?またこれが定着するのでしょうか?今回はこれを考察してみたいと思います。
年齢構成で15年前と今を比較してみた
そこで、この統計の最初の頃の2005年と今年2020年の年齢別人口を5歳刻みで集計してグラフにしてみたのが次の2枚です。いずれも65歳以上の年齢層が分厚く高齢化率が高いのも理解できます。ただ、15年たってずいぶん形が変化した事がわかります。2005年には片瀬山入居第1世代の皆さんが健在で70台前後に大きなピークがあります。
一方、2020年では40~80歳台まで平準的になっていることがわかります。その一方で20歳~30歳台で大きく人口が減少しているのが特徴的です。この変化がどのように生まれたのか?を考えるために少し工夫したグラフを作ってみました。2005年に片瀬山に住んでいた人が、15年間住み続けて2020年を迎えた場合と今の実際の人口構成を比較してみました。15年間住み続けたら、のグラフは2005年のグラフを15歳分ずらしてみれば簡単に作れます。
15年間の大きな変化
これを比較してみると、大きく言ってこの15年の間に以下の3つの変化があった事がわかります。
1 高齢者世代(特に2005年に70歳以上だった世代の方々)が減少した
2 現在20-30歳台(2005年当時10歳台)の世代が転出した
3 現在40-50歳台のファミリーが転入し、その子供達の年代が増えた。
今の60歳~80歳台前半くらいの年齢層は多少の転入出はあるものの大きな変化がなかったと言えます。
片瀬山の人口を決めるもの
このグラフから、どうも片瀬山の人口の増減や年齢構成はこの3つの要素のバランスで決まってきたらしいと推定できます。身近な事を考えてみればわかりやすく、1は高齢化に伴いやむをえない事。 2は子供達が自立・独立して家を離れるので、これも仕方のない事。 従って、この街の将来は3(これは子供達が戻ってくる/別の家族の移住いずれにせよ)として、選んでもらえるか?に依存するわけです。
次回はこの1~3が最初に述べたように、特に2015年頃を境にどのように変化しているのか?について、もう少し詳しく調べてみます。
*藤沢市人口統計:2003年以降 各町内別の人口(片瀬山1~5丁目)の年齢別(1歳毎)が住民基本台帳を元に作成され、ホームページで公開されています。今回は1~5丁目の合計人数を元にグラフ化しました。これとは別に、1995年から各町内別に5年毎・5歳毎の国勢調査のデータが国の統計局のサイトで公開されています。この2つのデータは調査方法の違いによりかなり異なる数字を示すので、比較するには十分の注意が必要です。今回は1歳毎・毎年のデータを重視して、特に明示がなければ藤沢市の人口統計のデータでご説明します。