保護犬里親・預かりボランティア活動 濱田さん ~保護犬たちの生い立ち~
保護犬も知られるようになってきた
色々な事情で飼い主に放棄された動物は(迷子を含む)それぞれ管轄の動物愛護センターに保護され、新しい飼い主・家族が見つかるのを待ちます。神奈川県には四つの愛護センターがありますが、その一つ平塚にある神奈川動物愛護センターは日本で初めて年間殺処分ゼロを達成しました。現在犬は7年猫は6年の殺処分ゼロを継続しています。こうして飼い主を捜しているワンちゃんを保護犬といいます。
最近テレビで保護犬を取り上げた番組がよく放送されています。そのおかげで保護犬に対する関心も高まってきています。ペットショップから買うのではなく、保護犬の里親になろうと思われる方も多いでしょう。そんな昨今ですが、片瀬山にも数匹の保護犬と暮らしているお宅があることを耳にして、取材をお願いしました。快く取材に応じてくださったのは、濱田まり子さんです。濱田さんは現在、一般社団法人アニプロ(本部-真鶴)に所属して、保護犬を家族として受け入れたり、里親が見つかるまでの間、預りボランティアをされて、現在10匹の面倒を見ておられます。
レポーターの私自身も犬を飼っていたのですが、4年前に病気で亡くし、それ以来、ワンちゃんのぬくもりを恋しく思っていたので、取材当日は久しぶりに触れあえることが嬉しくて、ワクワクして出かけて行きました。
幸せな保護犬たちとその生い立ち
濱田さんのお宅は広いウッドデッキのテラスがあり、保護犬達はお庭や室内を自由に走り回っています。とても羨ましい環境で、これだけでも片瀬山ライフを楽しんでいる様子が伺えます。濱田家の可愛い10匹の家族とその生い立ちをご紹介します。
早速テラスへ案内して頂くと、家の中から犬達が一斉に飛び出してきて、しばらくは写真も撮れないほどの大興奮でした。中でも飛びついたり舐めまわしたりの大歓迎をしてくれたのは ジェシカ と ビータロウ です。
ジェシカはブリーダーに放棄された子です。普通ジャックラッセルという犬種は白に茶色が入っていますが、ジェシカは全身ほぼ真っ白で、これでは売り物にならないというのが放棄の理由です。私を気に入ってくれて、取材中ずっと私の膝の上に乗っていました。
ビータロウは飼い主に持ち込み放棄された子です。よく吠えて、飼い主が近所から「うるさい!」とクレームを受け、もう飼えないと手放されました。今はむやみに吠えることはなくなり、お利口さんでお留守番もできるそうです。
保護犬達はどんないきさつで動物保護センターに持ち込まれるのでしょうか?
—-濱田さん:飼い主が飼えなくなって、持ち込み放棄になる理由はさまざまです。飼い主の病気や死亡、親族も世話をしない、老犬になったからいらないという理由もあります。17歳で持ち込み放棄された犬もいました。職員が飼い主に、「天寿を全うするまであと少しですからもう少し」とお願いしたのですが、「いらない」の一点張りでした。その後この犬はアニプロがセンターから引き取り、里親がみつかり、その里親のもとで、先日19歳のお誕生日を迎えたそうです。
センターは飼い主が4千円支払うと動物を引き取ります。4千円なら安いからと依頼する人が多いのだという意見もありますが、高くするとその辺に捨てられてしまうのです。実際に、ブリーダーが河川敷に何頭もの犬を捨てたり、倒産したペットショップが「4千円でも高い」と放棄したこともありました。だから、4千円出されると引き取らざるを得ないのです。
そして、動物保護センターへ持ち込まれるのは、犬猫だけではありません。ニワトリやインコ、カメあらゆる生き物がいます。
体調の悪い犬、老犬も積極的に預かる
濱田さんのお話を伺っている間も、犬達は自由に周りをウロウロ。ビータロウがマルチーズのピクルスを追いかけていて、濱田さんに怒られていました。
ピクルスはセンターにいた時にとても状態が悪かったので、アニプロが引き取り、濱田さんが預かって、その間に里親を捜しています。初めは栄養失調で歯がボロボロ、毛も抜けている状態でしたが、今はケアされて元気になりました。アニプロはこうした状態の悪い子や老犬を積極的に引き取っています。
次回は濱田さんと保護犬の出会いについてお伝えします。