いつでも立ち寄れる穏やかな時間の流れる子育てスペース
コミュニティハウス片瀬山の玄関を入って奥に進むと、日当たりの良い和室があります。
そこはこの建物の「一番良い場所」なのですが、そこにはおもちゃや絵本が用意されていて、いつでも小さな子供とママやパパがくつろげるようになっています。そんな家庭的な雰囲気の場所が「子育てサロン」のお部屋です。
取材に訪れた日は長いコロナ禍による緊急事態宣言解除を受けて、ようやく色々なルートで「再開しました!皆さんどうですか?」と、常連さんやそのお知り合いに声をかけた最初の日との事でした。三々五々赤ちゃん連れのママたちがやってきました。初めてここに来るという何となく不安な様子のママに、スタッフの方がにこにこと優しく「予約いりませんよ」とか、パンフレットを手に丁寧に説明をしています。不安が漂う騒々しい世の中とは別世界の穏やかな時間が流れている感じがしました。結局この日は6組の親子が訪れていました。まず、子育てサロン担当の松本さん(1丁目)にお話を伺い、続いてママたちにお話を聞く事ができました。
どんなサポート・運営をしているのですか?
ー松本さん 3歳児(未就園ならもう少し大きくてもOK)までの親子がいつ来てもくつろいで話ができる場所を提供しています。コミュニティハウスが開いている日はいつ来ても良いです。月1回第4火曜日午前には、私(主任児童委員)含めたサロンスタッフがいて、子供を見守り親御さんをフォローし、相談相手になります。いろいろな制度、幼稚園等の情報提供や、親御さん同士の情報交換を助けたりしています。親子でいらしてくださいね。特に予約はいりません。
最近の状況は?
ー松本さん:コロナの間は休館もありましたし、声もかけられなかったので大幅に参加者が減りました。再開して今後どのような活動にするのか、模索中というのが正直な所です。
どういうきっかけで皆さんいらっしゃるのですか?
ー松本さん:口コミやコミュニティハウスの関係者の方が声をかけてくださったりです。専業主婦の方も育休中の方もいらしています。コロナ前はお父さんも来ていましたね。
この子育てサロンを立ち上げたきっかけは?
ー松本さん 片瀬のボランティアセンターで、赤ちゃん~未就園児を対象とした同様の活動である「かたせ・にこにこ広場」というのを毎週1回、片瀬山のSさんと一緒にもう十年以上やっています。これは市の協力と補助金を受けてやっていて、主任児童委員・その他のスタッフに加えて臨床心理士さんもいてくれて、年間イベントもしっかりあります。しかしこの活動は午前5組・午後5組までで予約が必要、そしてその予約がすぐ満員になって取れない というのが実情です。このコミュニティハウスができた時に、いつでも来られる親子にとって使い勝手のよいサロンをやりたい という事でここで立ち上げたわけです。ここは本当に心地よい所です。コミュニティハウス片瀬山の活動という形で市の助成を受けているのですが、寄付という形で支えて頂いた物が多くあります。例えば絵本は かこさとしさん(片瀬山に住んでおられた著名な絵本作家の方) が寄付して下さいました。
スタッフの皆さんから片瀬山の皆さんに一番お伝えしたい事は?
ー皆さん 現在、少しずつですが若い親子の新規入居、同居世帯が増えてきたように思います。片瀬山が全ての世代に住みやすい街になりますように!
来ていらしたママの皆さんにお聞きしました。
この子育てサロンについて
●コロナでこのサークルの活動がお休みで、他のママ達と交流できないのがストレスでした。
●同じ年頃の子供を持つ方と知り合えてよかったです。(初めてここに来た方)
●家の中でいられるのはありがたいです。(屋外の公園等ではないので、寒さ、暑さ、雨)
片瀬山での子育てについて
●片瀬山では公園に行ってもあまり親子に会わないですね。
●公民館の子育てイベントにも参加しています。
●子供を連れて歩いているとよく声をかけてくれるので、片瀬山の人は優しいと思います。
●とても落ち着いていて住みやすいが、坂を降りなくてはいけなくて、子どもを連れての買い物や、通院など大変な事が多く、車や電動自転車が無くて不便。バスの本数も少ないです。
●外に出る機会が減ってしまった事で子どもの友達を作る経験も少なくなってしまいました。コロナ以前は、かたせにこにこ広場、子どもらんど、公民館事業、片瀬山コミュニティハウスのキッズクッキングなど活用させてもらい、親子ともに良い経験が沢山できていました。
今のお悩みは?
●まだ夜間授乳があって寝不足がつらいこと
●育休が終わり、認可保育園に入れず、入れた保育園が3月で閉園するので、これからも保育園探しをしなければいけないこと
これから子供の手が離れたらやりたい事は?
●仕事復帰します
●一人で自由に出かけたいです
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◆「つながる場所」の大切さ 取材を終えて
今回は6組の親子の皆さんが参加されましたが、今回は何と3組の方が初めていらした方でした。新築に転居されてきた方もおられて、今回の参加で近所のママと知り合いになったそうです。あとの3組の方は何度もここを利用された方々でした。こうしてママたちのつながりができる場所として、また子育ての色々な情報源に触れる機会として利用されています。また普段の日に知り合いの親子と事前相談して来たり、親子だけで来て気分を変えて遊ぶ場所として利用する等色々な利用が行われています。サロンスタッフのいない普段の日は通常のコミュニティハウスの運営スタッフが対応する事も多いそうです。さぞかし助かるだろうなあ とずっと昔に子育て卒業した親として感じました。
どのくらいの数の親子が来ているのかは、玄関で記入する来場者の数を表にした上記の赤枠部分がおおむね子供サロンの参加者と言ってよいと思われます。コロナ前は来所者の約1割強くらい(40人強/月)がこのサロンの参加者の方であったと推定できます。スタッフの皆さんの「子供とママを支えたい」という気持ちが長年にわたって続いていることに、本当に頭がさがります。そうした大ベテランに支えられる子育てが、どれほど安心に感じるだろうかと思いました。皆様取材にご協力頂き、ありがとうございました。(Reported By W&S)