伐採後の新しい樹種での植替えは住民と協議の上で進められます
危険な暑さの夏が今年も始まりました。でも残念なことに片瀬山の坂道を登る途中で街路樹の木陰で涼むことは叶いません。今年3月に前触れなくユリノキ81本のうち69本があっという間に伐採されてしまいました。
トラテープを巻かれた無惨な切株を目にする度に、いたたまれない気持ちになる方も多かったと思います。街の玄関にあたる風景が変わってしまったこともあり、来訪者の方々もびっくりしていました。なぜ、街路樹は伐採されたのか?(→既報)
この件について5月18日片瀬山自治会協議会に藤沢市道路維持課担当者が来訪し、「多くの問い合わせをいただき必要性を感じ、説明会を開催させていただきます。」と説明がありました。
ということで、6月30日(日)10:00から片瀬中学校格技室での説明会が開催されました。
説明会には30人程の住民が参加しました。
冒頭に市側から「事前に地域住民への周知が必要だった。住民の皆さまに不快な思いをさせてしまったことを反省しております。申し訳ありませんでした。」と謝罪がありました。続いて以下の説明がありました。
⚫説明:なぜ伐採したのか?
・ユリノキが老木化で倒れる恐れがある
・幹が太くなり取付道路から出る際に街路樹が支障となってよく見通せない
・樹木が大きくなりすぎ枝葉が電線にかかっている
・根上がりによる歩道の隆起など道路の安全性と管理面からの判断
・落葉がたまって道路の排水に影響 地域からの改善要望
これらの実態と街路樹の成育環境と安全で快適な道路空間の両立をめざすために令和3年7月に定めた「藤沢市街路樹管理計画」を元に樹木医による倒木の危険性診断と併せて判断した。
⚫説明:更新概要
・樹木間隔を8mから15m間隔としたい
・候補樹木として常緑樹モッコク、キンモクセイ、落葉樹イロハモミジ、ヤマボウシの4種を検討中
・工期 令和6年8月工事発注
10月工事施工
令和7年4月歩道補修
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これに続いて質疑応答がありました。
住民からは様々な意見が出ましたが、住民が納得出来る具体的な形で今後の計画を示して欲しいという要望が多かったです。順番や内容等少し整理して記します。
⚫住民側からの感想や意見
・住民に事前説明なく行った伐採により、片瀬山玄関の街路樹の景観が壊されてしまった
・今回の説明資料の提示をしてほしい
・南側にユリノキを残し伐採したところに新たな街路樹を植えると左右対称でなくなり、景観は台無しである 将来にわたる街路樹計画を提示してほしい
・(片瀬山通りを交差する利用者から)伐採で視認性が改善された
・樹木根元の雑草の放置を何とかしてほしい
・切り株をベンチに利用している。ベンチ等の工夫をしてほしい
・伐採の理由にあたらない樹もあり、現地確認をして施工したのか?
⚫道路維持課からの改めてのお願い
・今年度中に伐採した木の根の除去を行うことを了承いただきたい
・将来的な構想を練り、改めて地域住民と話し合いの場を持ちたい
・その場合の窓口としてはどこが良いでしょうか?
⚫住民側からの具体的な要望及び検討事項として以下について市側も同意
・更新計画書等を策定し片瀬山自治会協議会を通し、住民と協議しながら街路樹更新を行っていく
・4種の検討樹木でのイメージ図を提示
・次期更新も見据えた今後の管理計画を出す
・今回の議事録作成
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取材NOTE
参加者の発言で「木は人を癒す」という言葉が印象的でした。この街とともに50年を歩み、街の玄関として大きく葉を繁らせ、夏に木陰をもたらしてくれたユリノキが、それなりの根拠があるにせよ、説明もなくいきなり伐採されてしまったわけです。心が痛まない人はいないと思います。次世代にそういう思いはさせたくない。今後の街路樹更新にしっかり目を向けていこうと思います。(Reported By K)