昨年に続いて坂を下る自転車vs自家用車の衝突事故発生
事故の発生と現場検証
4月21日月曜日の朝、私(レポーター)の家の前を救急車が駅方面に向かうサイレンが聞こえました。それからほどなくして、東公園近くで交通事故の現場検証と思われる場面に遭遇しました。先ほどの救急車はこれだったのか、とわかりました。
警察車両が東公園前に来ており、当事者と思われる1Boxミニバン、電動アシスト自転車がありました。ミニバンも自転車も損傷はわずかで、深刻な事故ではないだろうということはわかりほっとしました。でも人身事故には違いないので、警察官数人で、交通整理しつつ、ドライバーと思われるドライバーに話を聞いており、「気づかなくって~」等の言葉が聞こえてきました。
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事故の状況推定
その数時間後、警察官が現場検証で地面に記したチョーク等を見て、事故の状況が推定できました。
つまるところ東公園の前の道を北から南に走ってきたミニバンが、東公園脇の急で短い坂道を下ってきた自転車に衝突したものだと思われます。

昨年も同様の事故がここで発生
実はこれと全く同じ状況(北から来た車と坂道から飛び出した自転車が衝突して人身事故になった)が昨年4月に起きていたことを聞いていました。
ご近所の方の集まりの場で、この事故の話を話すと、「昔からあそこは有名だよ。」という話になり、「飛び出した自転車で冷や汗をかいた事があって、この交差点では極端に徐行して走るようにしている」とおっしゃる方が2人もいました。実は私の家族も車を運転していて、まさにこの場所で自転車とあやうく衝突しそうになった経験があります。
さすがに2年続けて同状況の事故が発生し、それ以前から事故寸前の体験をしている方が多いという交差点には何か要因があると思われます。

右:左を元に現場で確認した標識の内容を図に記したもの 今回の当事者たちが見るミラーはミラーAです
この交差点の交通規制はどうなっているか?
車が走ってきた南北方向の太い道路は幅6m、こちらが優先道路です。これに交差する今回自転車が走ってきた道路は幅5mで、この交差点では自転車を含む車両は止まらなければなりません。赤い止まれの道路標識と、「止まれ」と地面に書かれた路面標示があります。
「双方の確認不足」になるのかもしれないけれど・・
ルールでは自転車は一旦停止して左右確認の上で進まなければいけないのですが、交差点の真ん中に✖印がついているという事は、確認不十分のまま進んでしまったのでしょう。また、こうした車対自転車の事故の場合は、優先道路とはいえ、車側にも注意が不足していた ということになるようです。
「事故が起こりやすい交差点」は、双方の確認が不十分になりやすい要因があるのではないか? そう思って付近をもう一度歩いてみました。
実際に交差点付近を歩いてみると気になる事がいくつかあり、仮説として記してみます。
〇自転車側の確認不足を誘発する要因についての仮説
1短い急坂→ついスピードが出てしまう
自転車が走ってきたのは公園横の短い(約40m)区間ですがこの間に4m下がるというかなりの急坂です。自転車で坂を下りだすとスピードが出て交差点で止まりにくいだろうと思います。

片中横の大坂(10mで約80㎝の坂)と比べても同等以上と言える
2心理的な罠 左方向は見通しが良く交通量は少ない→つい右方向の確認を怠る
交差点の左から来る車がないのは公園越しにわかります。交通量は少ないです。そして直進する人にとっては交差点の先が良く見えることもあり、つい右側を確認不足のまま進みたくなる心理的な罠があると思います。
(だからと言って、止まらなくて良いわけではない)

3右方向を確認するミラーが交差点直前まで見えない
交差点には当然ながらミラーがあります。自転車の視点の高さと位置で交差点に近づきながらミラーを通じて近づいてくる車がどんな見え方をするか確かめてみることにしました。すると、道の左側を走る自転車からは、交差点近くの樹木とその向こうの電信柱でなかなかミラーが見えてきません。


ようやくミラーが見えたのは交差点の停止線のすぐ近く、「ま」の字のところであり、それも交差点から遠ざかる方向の車線しか見えませんでした。車の近づいてくる車線が見えるのはほとんど停止線そのもの、「止」のあたりだったのです。写真でわかるようにミラーがやや引っ込んだ位置にならざるを得ないのも一因のように思えます。


本来はミラーが見える見えない等に関係なくいったん停止してそこで確認すべきです。T字路だとほとんどの自転車が停止するのでしょうが、十字路だと先を急ぐ心理と、上記1,2,3のような要素もあって、自転車が確認を怠りやすいうえに、車の接近に気付きにくいという要素があるように思えます。
〇自動車側が気づくのが遅れる要因についての仮説
•ミラーが映している範囲に問題がありそう→交差点で自転車が姿を現すまで気づかない
今度は自動車の運転者の視点で交差点に近づいてみました。もちろんこちらが優先ですから、いちいち停止や徐行をする必要はありません。しかしこの交差点でミラーに注意する必要はあるでしょう。


実は路面の文字の右半分だけしか見えない
その時ミラーAで見え続けているものは、路面の止まれの文字の右半分でした。道の左側を走る自転車は見えないという事です。(自転車側からの話と一致しています=双方見えてない)
結局、交差点で自転車が姿を見せるまで気づきようがありません。それでも事故がおこれば、車側の過失が大きくとられる可能性が大きく、この交差点の危険性を知って自己防衛するしかありません。

交差点のごく近くの路面、それも左側車線の右半分しか見えない つまり道路の左端近くを走る自転車は見えない

この要因を考えてみました。(上記ミラーAで見える範囲を示した図参照)
1ミラーの向き(左右)が少しずれている。(これは交差点に差し掛かるまで双方が見えない)
2ミラーの向きが坂道を見上げる方向(仰角)にはなっていないために、交差点のごく近くしか映し出さず、坂道の上部(降り口)が見えない。
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今回私が感じた事は素人の実験と感想なのですが、ぜひ専門家の方にご意見を伺いたいと思った次第です。それがきっかけで何か対策が立てられて今後の事故を防止する事ができるなら幸いです。
とはいえ、取り急ぎ近所の住民としてできる事は
東公園脇の交差点は「自転車の飛び出し事故の危険地点」であることを知り、「自転車は一旦停止」「車はこの交差点では、最徐行」ということを、ここを通る自動車・自転車双方によく知ってもらう事だと思います。というわけで、こんな記事を書いてみました。皆さん注意しましょう!(Reported By S)