【片瀬山の自然】鎌倉広町緑地で見られるヘビ

今年は巳年 本州にいるヘビすべてが見られる広町緑地 上村 文次

令和7年(2025年)は「巳年」です。脱皮をするヘビは、「復活と再生」を連想し、不老長寿や強い生命力につながる縁起のよい動物と考えられています。
 鎌倉広町緑地にはアオダイショウ・シマヘビ・ジムグリ・シロマダラ・タカチホヘビ・ヒバカリ・マムシ(ニホンマムシ)・ヤマカガシの8種類のヘビが生息しています。
本州にも同じ8種類のヘビが生息しているので、鎌倉広町緑地では本州にいるヘビすべてが見られるわけです。今年のはじめにこれらをご紹介しましょう。 ※タカチホヘビは未撮影です。

アオダイショウです。鎌倉広町緑地 2024.4.29

アオダイショウは全長100~25㎝ほどで、本州では最大のヘビです。緑色やオリーブ色をしており、濃い褐色をした縦縞が入っています。人家周辺でもよく見られ、人と共に暮らすヘビと呼ばれています。無毒、日本固有種です。

シマヘビです。2022.4.9 鎌倉広町緑地

シマヘビは全長80~200㎝ほどで、淡黄色の体色に4本の黒い縦縞模様が入っています。食性は幅広く、カエル、小鳥、昆虫などを食べます。無毒、日本固有種です。田んぼの畦でシュレーゲルアオガエルを捕食した瞬間を撮りました。

ジムグリです。2024.5.19 鎌倉広町緑地

ジムグリは全長70~100㎝ほどで、体色は赤みがかった茶褐色で黒い斑点が入っています。頭部にアルファベットの「V」字の模様があります。無毒、日本固有種です。地面や石の下に潜ることが名前(地潜)の由来になっています。

シロマダラです。2019.8.19 鎌倉広町緑地

シロマダラは全長30~70㎝ほどで、体に黒と白のバンド模様が入るヘビです。無毒、日本固有種です。夜行性であまり人目につかず、かつ個体数が減っているため、見つけると新聞などで話題になることがあり、「幻のヘビ」と呼ばれています。

ヒバカリです。2024.10.26 鎌倉広町緑地

ヒバカリは全長40~70㎝ほどで、背面は淡褐色や褐色で、口角、頭部にかけて白や淡黄色の斑紋が入っています。無毒、日本固有種です。無毒ですが、かつては毒ヘビとみなされていました。和名を「噛まれたら命はその日ばかり」という俗説に由来しています。

マムシです。2023.5.18 鎌倉広町緑地

マムシは全長45~60㎝ほどで、胴が太く、体型は太短い特徴があります。頭部は三角形で、胴や尾の表面に銭形の暗色の斑紋があります。毒をもったヘビで、日本固有種です。神奈川県では姿を見られなくなった地域が多くなっています。この種が生き続けていける環境が残っていることは貴重です。

ヤマカガシです。2023.11.21 鎌倉広町緑地

ヤマカガシは全長60~120㎝ほどで、色彩が鮮やかで赤色と黒色の斑紋が交互に入っています。主にカエル(オタマジャクシ含む)を食べます。毒をもったヘビで、日本固有種です。11月21日に田んぼ脇で撮りました。ヘビは通常10月頃までに冬眠に入りますが、この時期、まだ地上に残っていました。「穴惑い(あなまどい)」と言います。ヘビがなかなか穴に入らない、冬眠に入らないことです。