片瀬山駐在所 佐武さん ~「地域に根ざす」思いを実現するまで~
片瀬山駐在所勤務の第一歩は「犬」と魔法の制服?
ーー平成9年(1997年)片瀬山駐在所勤務を始めた頃はどんな事をされたのですか?
佐武さん:覚えている方も少なくなってきましたが、結婚よりもまず犬(「ぱど」という名前の黒い犬)を飼いました。片瀬山では当時は今以上に多くの家で犬が飼われていて、犬の散歩の時に住民の方との話のきっかけになると思ったからです。結果はとても良かったですね。年長者の方々と若輩(30歳)の警官が話を出来るようになって、「ぱど」のお蔭で住民の皆さんとの距離が随分縮まりました。「ぱど」はパトロールや交通監視、藤沢駅前で行う各種キャンペーンにも同行してくれました。
病気のため7歳半で亡くなり、つらい時期(ペットロス)がありましたが、皆さんに声をかけて頂き、なんとか立ち上がることができ、今は12歳になる2代目の犬がいますが仕事には同行はしていません。もう一つのコミニュケーションツールはこの制服です。自分は本来目立つのが嫌いで無口な性格なのに、この制服を着るとウルトラマンみたいに変身してしまい、口は闊達に動き回り「防犯寸劇」まで、人前で出来るようになってしまうのです。お蔭様で自治会やイベントにも積極的に参加して防犯や犯罪状況についての話を続けさせて頂いています。 定年後、引きこもり状態になるのではと、妻からは不安がられています。
ーー日々の勤務はどんな様子ですか?
佐武さん:いつも同じ警察官で名前も知っているという駐在所の特殊性からか、ご近所トラブルや家庭内トラブルの相談といったものが多いです。また、知らない警察官に話すことをためらうけど、佐武さんには話せるといったこともあります。リモートワークで在宅時間が増えて家族間のトラブルが多くなってきていますね。一方的に片方が悪いことが分かるような話でも、双方の言い分を聞いて、いい妥協点を見つけられるようにしてもらうことを心掛けています。
住民の方はだいたいわかります
また、片瀬山には約1600世帯がありますが、「巡回連絡」というご家庭を訪問して防犯指導や困りごとなどを把握する活動を通じて、だいたいのお宅の家族構成やお顔を覚えています。見かけない顔があれば、わかります。例えば、落とし物の届け出があったときでも、名前などが分かれば連絡先がすぐにわかりますし、認知症の高齢者の方で困っている場合でも、どこの誰かが分かるので、適切な措置を取ることが出来ます。 勤務時間は午前8時30分から午後5時15分までで、休みは週2日ありますが、交番へ現場応援に行ったり、シフト出勤など事件事故の発生状況などに対応した勤務をしています。
ーー次は 地元住民と共に片瀬山の安全を守る活動の様々や警察の仕組についてです