えっ、ここで宅地造成できるの?!
1丁目の見晴らしの丘の三角地に宅地造成計画
1丁目北西部にある通称「三角地」は旧三井の分譲地から片瀬に抜ける道を見下ろして、富士山や相模湾を一望で見渡すことのできる場所として、片瀬山の絶景地の一つとして知られています。五丁目の富士見坂は有名ですが、この三角地も1-2丁目の住民の皆さんの定番散歩コースとして知られています。三角形の角地付近から絶景が見えるのと同時に、ご近所の方がそこを借りて畑をやっている場所でもありました。最近では見晴らしの丘とも呼ばれているようです。

今年5月のある日、散歩の途中でこの三角地に立つ看板に気づきました。

後からよく見たら確かに5区画の図面が書いてある
こんな狭い土地に家を建てる方がいるのだろうか?景色も見えなくなってしまうのかな~残念、などと思っていました。
それが秋になってこの土地の周辺の多くの家々や掲示板に次のような貼り紙が掲出されました。

周辺住民の有志によって出されたものですが、誰かを一方的に非難する強い言葉ではなく、この土地の購入を検討する方に「どんなリスクと責任が生じるのか」を順々と説明する文章にすっかり感心してしまいました。これが3か国語で書かれている所が「片瀬山」らしいと思いました。ということで、今回改めて周辺住民の皆さんに経緯をお聞きしてご紹介し、次にそのリスクや問題点を深堀りしたいと思います。
ここはどんな土地なのか?
改めてここがどんな場所で、どのような宅地造成計画なのかをご紹介しましょう。GoogleEarthで土地の様子を見てみます。

それを分割して五つの宅地としている
そして今回の宅地造成部分を都市計画図上に記したのが次の図です。

上記写真に方向を合わせてある
黄色が平地 茶色が傾斜面
わずかな平地に急斜面を合わせて「宅地」に
平らな地面の部分はわずかで急斜面の方が広い面積なのにそこも併せて「宅地」として造成する計画になっていることがわかります。特にNo5に至ってはほとんど平地がなく、斜面しかありません。
どうやって家を建てるのだろうか?と素人でも心配します。それを支える地盤は大丈夫なのでしょうか?建築物を建てて、下の道路に崩れたりしないのでしょうか?心配になります。
6月15日、7月6日に説明会が実施された
藤沢市では開発事業の場合、近隣住民からの要求があった場合には、説明会を開催してその質疑応答内容を市に提出する必要があります(このホームページ内の解説ページ参照→片瀬山の建築規制)。 今回も住民側からの要求で2回にわたって説明会が開催されました。(内容は次回)
ここは土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定区域になっていた
ここは、急傾斜地として道路沿いの斜面部分が土砂災害防止法により、神奈川県によって土砂災害特別警戒区域として指定されています。これは土砂崩れなどで住民に大きな被害が起きる恐れがある場所が指定されるもので、開発行為や建物の建築について許可が必要になります。(藤沢市の説明はこちら)(県の詳しい技術基準などはこちら)

工事開始
9月22日に県の藤沢土木事務所と藤沢市から「特定開発行為許可」が下りて工事が始まりました。
現地に生えている樹木の伐採や草刈りから始まりました。
事前相談での指導に基づいて
・斜面角度が30度以下になるように斜面を削って傾斜を整える工事
・雨水貯留槽(3.5m x 3m x 0.63m x 4個、3.5m x 5m x 0.63m x 1個)合計5個を地下に埋め、そこにたまった雨水を道路下の雨水管に排出する。その点検口の太いパイプを用意するなどの工事が必要となりました。
また、今後擁壁を作る場合は検査を受けることも必要になっています。
工事の様子
斜面の地下に雨水貯留槽を埋め、斜面傾斜角を30度以下にして整える工事が始まりました。見ての通り、大きな地盤掘削+埋め戻しを伴うので斜面の土はふかふかになっています。


10月27日

雨が降ったので水が流れたあとが早速ついている 11月2日 この後貯留槽と雨水管が接続された

こうして工事は着々と進んできたのですが、周辺住民には不安が募っていきました。
6月及び7月の説明会で様々な質問が出たのですが、その回答は一層の不安を増すものだったからです。
次回は周辺住民の不安の内容に迫ります。
