HUG:避難所(Hinanjyo)運営(Unei)ゲーム(Game) って何?
HUGと聞いたら「それ何っ?」て思う方もいるかもしれませんが、避難所運営ゲームという静岡県で開発された災害時の避難所運営をシミュレーション体験するゲーム の事です。防災関係者の間ではとても有名です。10月末、片瀬山の各自治会の防災に関係役員の皆さんが参加して、このゲームを通して避難所で具体的には何が起き、何が困難になるのかを疑似体験してみることになりました。私(レポーター)はメンバーには入らず、その様子を拝見しながら、今回の記事をまとめてみました。
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このゲームをする目的は?
最初に協議会会長のHさんからの説明が、有識者のAさんからは補足説明がありました。
【大災害時の自治会の役割】
大災害が起きた時はまず自分や家族・近所の人の安全確保をした上で、各自治会は一時(いっとき)避難所である各丁目の公園(東西南北の公園)に本部を立ち上げます。その上で担当の方は片瀬中学の避難所開設作業を行います。(下記フローの青枠が今述べたフロー、その右側 緑色の枠内下の指定避難場所を開設するという役割) 各公園の本部はその後は自宅で避難生活を続ける皆さんを支える物資や情報の拠点としてその後も活動を続けます。
【片瀬山の住民の選択】
片瀬山住民は安否確認などの後は家の破損状況や不安感等によって、自宅か片瀬中学かあるいは別の場所に行くかを自分の意思で選ぶことになります。
【片瀬山自治会は片瀬中学避難所の開設作業まで担当します】
片瀬中学は多くの片瀬・鵠沼地区の方々が来ることが予想され、開設後の運営はその方達にバトンタッチされることになります。片瀬山の自治会はまずは開設までを担当することが期待されています。
【今回ゲームで体験する目的】
片瀬中学の避難所でどんな事が起きるのかを知らずには開設はできないという考えから、まずは疑似体験してみようということで今回初めておこなうものです。
準備されていたもの
当日は1チーム5-6名程度で2チームで同じ課題に取り組みました。各チームは次々に読み上げられるカードで起こる事象に対してどんな対処をするのか判断し、その結果を机の上の3枚の大きな図の上に書き込んだり、PostIt(付箋)を貼ったりして、記録します。
読み上げられるカードというのが実際に避難所で起きる様々な難問で、その対処を考える中で避難所運営の疑似体験をする事ができます。
その3枚の図は次のようなものです。
【片瀬中学全体見取図】
・どこに何を設置するか(例 避難物資の置き場所とか)
・どのように実行するのか
(例 取材を受けるのか 外国人を受け入れるのか) 等を即決して書き込みます。
・要支援者の収容場所として2階の会議室が仮に充てられています。
【アリーナと格技室の見取り図】実際に避難してきた人たちが避難場所として暮らす場所がアリーナと格技室です。
・その中でどんな人にどこに避難してもらうかの配置を決める
(例 高齢者のいる家族はどこにいてもらうか? 熱のある人はどうするか? 観光客は?等)というのを即決することを要請されます。
ゲームの前提条件
ゲームの前提条件として下記のような紙も配られます。
読み上げ開始
様々な難題がふりかかってきます。みんなで頭をひねって、即決しながら進めていきます。
ごく一部を内容を似た内容に変えてご紹介します。
・95歳の高齢者を含む4人家族がいらっしゃいました 車はどこに止めればいい?
・2時間後に支援物資が百枚届きますがどこで受け付けてどこに置きますか?
・タバコはどこで吸えますか?という問い合わせ
・TVを寄付してもらったけどどこに置けばよいですか
・高熱の出ている家族がいるので、どこか隔離場所を決めて欲しい
・ペットを連れた家族が車で来たがどうすれば良いか?
・妊婦さんが来たがどうしますか
・トイレがすごいことになっているんだけど
・知的障害のある人のいる家族が車で来たのだけど受け入れてくれませんか
・本部から避難者名簿とそれを公開してよいという同意をとってくれと言う指示が来た
・取材をしたいというテレビ局が来てますが?
・・・というような調子で50枚くらいを読み上げました。(今回は1時間半くらいなのでこのくらいでしたが、まだまだ沢山ある)だいたい2-3分間隔です。
終わってぐったりだけど
参加者の方に感想を聞いてみました。
◆もっと詳しく実際のやり方をお知りになりたい方はこちら
◆第2-3回も予定されています。
各丁目の防災ボランティア組織の皆様にも参加していただくために
第2回12月8日
第3回12月15日 いずれも13時~15時に片瀬山市民の家2F大会議室
にてHUGを実施することになりました。別途関係者に連絡が行く予定と聞いています。
◆私、レポーターの所感 多くの気づきがありました。
・こういうゲームで慣れておくことはとても大切だと思いました。
片瀬山だけでなく、片瀬全体で役員だけでなく、かかわる可能性の皆さん
全体で体験する必要があると思いました。
少し細かい課題としては以下のようなものがあります。
動ける人・協力してもらえる人にはできるだけお願いをする。
(┗助けてもらうだけの人 にしないこと)
部屋割りの方針はできれば事前に決め、可動の仕切り等を工夫
(乳児、子供、高齢者、病気、障がい・・)
車を一切お断りは非現実的 現実的な方法が必要 ヘリは本当に来るのか?
医療が必要な人への対応も方針が必要
名簿はデジタル化と紙の並行運用等の工夫が必要
ペットは切実な課題