保護犬里親・預かりボランティア活動 濱田さん ~活動のきっかけ~
野犬の子、飼い主が子育てと両立できず頼まれた犬・・
ここまでお話を伺ったところで、“びびり”で家の中に引っ込んでいた将軍(雑種)が私達のそばに来てくれました。将軍は野犬の子で、子犬の時に保護されました。
一緒に保護された子犬達の中で一番人馴れが良かったそうです。ただ“びびり”なので、“びびりんぼ将軍”というあだ名がついています。関節炎で少しびっこを引いて歩いてる子がいました。トイプードルのトピです。
トピは濱田さんのお知り合いの方が飼えなくなり、濱田さんがその世話を託された犬です。飼い主の方に子供が生まれ育児に忙しくなり、トピはずっとケージに入れられたままでした。その為、筋肉が衰えてしまいジャンプができませんでした。濱田家の子になって、穏やかに暮らしています。
濱田さんがこうした活動に参加するきっかけはどんな事だったのでしょうか?
—-濱田さん:祖母の代から犬を飼っていたので、子供の頃からずっと犬と一緒の生活をしていました。昔は東京でも野良犬が多くいて、私の母は近所にいる野良犬にご飯をあげていました。逗子に別荘があるんですが、私達が行くとご飯をもらいに野良犬が集まってくるんです。身近にいた犬が亡くなっていくのも見てきたのですが、11年前にそれまで飼っていたアントン(フラットコーテッドレトリバー)が亡くなった時はペットロスに陥りました。アントンはご飯もよく食べてお散歩も行って、いつもと変わらない様子でしたが、突然具合が悪くなり1か月で死んでしまったんです。なんの看病もしてやれず、なんの手も尽くしてやれなった事が悔やまれて、なかなか抜け出せずにいました。どうしたものかと娘と考えていた時に、保護犬を飼ってみようと思い立ち、巡り会ったのがアニプロです。アニプロからゴールデンレトリバーを譲渡されたのが、うちに来た最初の保護犬です。
ストレスによる病や人間不信になった犬
インタビュー中に通りかかったのがルイ(ミニチュアダックスフンド)です。ルイもトピと同様の高齢犬で、見知らぬ人がいても関心なさそうでいつも通りのマイペース。ルイもセンターへ持ち込み放棄された子です。センターにいた時、ストレスで腰から下の毛が抜けていました。今はすっかりフサフサな毛が生えそろっています。
—-濱田さん:実はもう一匹、人嫌いの子が居ます。タイガです。(と連れて来てくれた)タイガは多頭飼育崩壊の現場からレスキューされました。多頭飼育崩壊というのは、初めは数匹のペットが、どんどん繁殖して増えてしまい、世話ができなくなり、ペット達の生活も、遂には飼い主の生活も崩壊するというものです。あるお宅で六畳一間(!)に80頭の犬が放し飼いされていました。餌をばらまくだけで水も置かれていませんでした。壁には穴があいていて、中で子供を産んでいた母犬もいたそうです。飼い主は全頭放棄したので、いくつかの保護団体が協力して引出し、体をケアして里親を見つけました。
タイガはそんな環境にいたので、人間の愛情を知らずに育ちました。人間が怖くて怖くてしかたがなかったんです。隠れたら絶対に出てこないので、暫くケージから出さないようにアドバイスを受けていました。ところが10日ぐらい経った時、タイガは私の手から食べ物を食べたんです。これは大丈夫、きっと馴れてくれると思いました。その時食べたものが、成城石井のオレンジケーキだったんです。タイガも美味しいものには勝てなかったのですね。
濱田さんから皆さんにお伝えしたい事があるということで・・
—-濱田さん:新しく家族に迎える時は、ペットショップでもブリーダーさんでも、保護動物でもどちらからでも良いのです。ただ、家族となった以上、最後まで共に生活してほしい それが私たちの願いです。私たちのような活動が早く不必要な世の中になりますように・・・。
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この他に濱田さんの娘さんとお出かけ中で会えなかった犬達がいます。この子たちです。
【取材後記】これだけ色々な生い立ちを持つ犬達ですが、今は濱田さんの愛情の元、ちゃんとしつけられて本当に幸福に暮らしていると思いました。タイガの元飼い主は101匹わんちゃんを夢見ていたそうです。でもワンちゃん達に用意されたのは、101匹わんちゃんが住むお屋敷ではなく、六畳一間でした。飼い主の勝手な思い込みに、あきれて言葉も失う私でした。(Reported By W)
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