【片瀬山の自然】熱帯・亜熱帯からの蝶

新年も改まって上村文次さん(5丁目)に「片瀬山の自然」と題して時々寄稿していただけることになりました。

上村さんは横浜・湘南地区を中心に活動する蝶の研究者として知られている方です。また自然観察活動もされています。(→タウンニュース記事) 片瀬山周辺で見かけた蝶を中心にさまざまな生き物や植物について気づいたことを記して頂きます。今回は素晴らしい写真をつけて貴重な発見を報告してくださいました。
今後適切な機会に上村さんご自身へのインタビューも掲載する予定です。
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熱帯・亜熱帯からの蝶
 クロマダラソテツシジミ    上村文次

11月16日に片瀬山5丁目のKさん宅で迷蝶のクロマダラソテツシジミを見つけました。 Kさん宅の玄関脇のソテツにとまっていました。  

ソテツにとまっていたクロマダラソテツシジミ OLYMPUS DIGITAL CAMERA

曇っていたり、気温も低かったりしていたので止まっていたのでしょう。近づいても逃げませんでした。少しすると陽がさしてきました。すると、舞い出しましたが、すぐに地面に止まって翅を広げて日光浴をしていました。片瀬山でクロマダラソテツシジミの成虫を初めて見ました。2頭観察できました。(蝶の数は「頭」で数えます)

地面にとまっているクロマダラソテツシジミ OLYMPUS DIGITAL CAMERA

クロマダラソテツシジミの幼虫の食樹(食草)はソテツです。ソテツの新芽・新葉しか食べません。実は自宅(片瀬山5丁目)のソテツにクロマダラソテツシジミの幼虫を10月25日に見つけていたのです。10㎜ほどの大きさできれいな黄緑色をしています。20匹ほどいました。

クロマダラソテツシジミの幼虫 黄緑色が鮮やか OLYMPUS DIGITAL CAMERA
自宅のソテツ OLYMPUS DIGITAL CAMERA

クロマダラソテツシジミは東南アジアから南アジア(台湾、フィリピン、西インドなど)の熱帯、亜熱帯に生息しているシジミチョウ科の蝶です。海外に産する蝶が偏西風などに運ばれてきて、一時的に棲みついたと思われます。こういう蝶のことを迷蝶(偶発蝶)と呼びます。片瀬山で外国の蝶を観察できました。


寄り道:Kさん宅の紅葉があまりに美しかったのでその写真も付けます
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Kさん宅(片瀬山5丁目)の紅葉 12月中旬 OLYMPUS DIGITAL CAMERA