昨日まで台風14号だった低気圧が通過した日
武井篤夫
今回は台風の通過に伴って一日の中で大きく変わる富士山の様子をお届けします。
台風14号は2021年9月7日にフィリピンの東方沖で発生し、太平洋高気圧の西端を時計回りに北上し、台湾や中国・上海の東側に近づきながら13日までに東シナ海に至りました。ところが北側の移動性高気圧に行く手を抑えられ16日頃まで停滞しました。この間九州地方に大量の雨を降らせました。
平年よりも温度が高い東シナ海から大量の水蒸気の補給を受け、発達した14号は17日に東へと移動を開始し、気象庁の記録では初めて福岡県に上陸した台風となりました。その後も愛媛県や和歌山県などを通過し日本列島を横断しました。このまま進めばこちら湘南地区にも直接大きな影響を及ぼすと思われましたが、新しい予報が出るたびに進路が南側にそれ、さらに9月18日15時には温帯低気圧に変わって伊豆諸島の方面に向かって行きました。
従って9月19日(日)は大荒れになることを予想して心配しておりましたが、境川や引地川の上流などに局地的には大雨は降ったものの風はあまり強くなくて助かりました。天候も早朝こそ雲が多かったものの、急速に回復し富士を見ることもできました。天気の変化の多かった一日の写真をご紹介します。
厚い雲がたれこめる朝からはじまりました。
それが1時間くらいするとみるみる青空が見えてきて、
さらに富士山まで見え始めて、昼前にはすばらしい天気で富士山がよく見えるようになりました。
19日は南海上にある台風14号の名残の低気圧が抜けて、それを追い出すように大陸からの乾いた空気の高気圧がすごい速度で張り出してきて、一気に空気が入れかわったのでした。実際、その日の横浜の湿度は朝5時が90%だったのが、午前11時には48%となりました。わずか6時間でこの変化です。