【片瀬山の自然】初観察!新林公園生まれのアサギマダラ

ビッグニュースです!新林公園で卵から羽化までを確認 上村 文次

新林公園で羽化したアサギマダラを7月8日に観察しました。アサギマダラは新林公園で移動中のものが見られていましたが、新林公園内で生まれたアサギマダラの観察は初めてです。これはビッグニュースです。「新林公園産」というのは新林公園でアサギマダラの卵を発見して、それが蛹となり成虫となる所を観察できたからです。私たちの街でアサギマダラが誕生していたのはとても嬉しいです。
アサギマダラは「海を渡って旅する蝶」として新聞などで話題になっている蝶ですが、春から初夏にかけて沖縄や九州の島々から北上(北上東進)し、夏を本州の高原などで過ごした後、秋には南を目ざして(南下西進)移動します。本来、新林公園で見られるアサギマダラはこの移動中のものが見られます。

新林公園で誕生したアサギマダラ 2022.7.8 新林公園

~アサギマダラの卵から羽化までを観察しました~
〇卵を発見
 北上してきたアサギマダラがコバノカモメヅル(アサギマダラの食草)に産卵しているとろを6月13日に目撃しました。10個ほど卵を確認しました。高い場所にも産んでいたのですが高いところの卵は見えなくて確認できませんでした。卵の大きさは1.5㎜ぐらい、紡錘形をしていました。

コバノカモメヅルに産みつけられたアサギマダラの卵 2022.6.13 新林公園

〇蛹を観察
①6月30日に蛹を観察しました。ツヤツヤとした蛹が葉裏にぶら下がっていました。宝石の翡翠のようなエメラルドグリーンで光沢を保っていました。

アサギマダラ蛹 2022.6.30

②7月7日に観察した蛹です。蛹が黒ずんでいました。黒ずんでくると羽化が近いです。

蛹が黒ずんでいます 2022.7.7 新林公園

〇羽化後の脱け殻
7月8日の午前中にアサギマダラが羽化しました。午後、撮った蛹の脱け殻です。

さなぎの抜け殻 2022.7.8 新林公園

〇アサギマダラの誕生
午後、羽化したアサギマダラが近くのヒヨドリバナで吸蜜していました。(羽化したばかりなのか)じっと花に止まっていてなかなか飛びませんでした。

羽化直後のアサギマダラがヒヨドリバナで吸蜜していました 2022.7.8 新林公園

この30-40年程の多くの人達の協力によって、旅をするアサギマダラの驚くべき生態が明らかになりました。まだまだ分からない事もあるのですが、詳しい事は、たとえばこんな記事をご覧下さい。新林公園で生まれたアサギマダラはこの後どんな山や海の風景を見て旅をするのでしょうか、想像が膨らみます。