名前がつく前から続けてきた人々の活動が今に続く
前回は富士見坂の環境を守るために、地道に活動している 桜と石だたみを愛する会 の活動をご紹介しました。今回はこの会のはじまりについて、最初の頃のことをご存じ と聞いたSさんを訪ねてお聞きした内容をお伝えします。

富士見坂という名前がつく前から自主的に活動していた人たちがいた
石だたみの道を見下ろす家に住むNさんがため息をついた所から話が始まります。
Nさんはこの道の横の緑地が荒れていたので、草を刈り、花木を植え、訪れた人に気持ちよく歩いてもらおうと数年前からこの道の整備をしていました。そんなある日、ある人から「そこ、あなたの土地でもないのに、勝手に草刈りして何か植えていて良いのか?!」と言われたのです。
石だたみの道は確かに市の道路なのですが、そこをきれいにすることで苦情が来るとは思ってもいませんでした。
知り合いの近所のSさんにため息まじりでそんな話をしました。2009年のことです。
実は、近所に住むYSさんも休日に石だたみの草取りや清掃をしており、Tさんは落ち葉の掃除をしているなど、この道を愛して自発的に黙々と活動する人がいました。それを知っていたSさんは、「美化ネットふじさわ」という枠組みにその活動を登録することを思いつきました。(ホームページはこちら)
美化ネットふじさわ というのは市が管理する公共施設の清掃や除草等に協力してくれるボランティア団体に、市が清掃用具や必要な物品の貸出をしたり、活動中の事故に保険をかけてくれる という制度です。
団体と市の間で「協定書」を結び、活動場所・活動内容・頻度・期間、市の支援内容、定期的な報告をすること等を取り決めています。
会の発足は 富士見坂の名前がつく前
Sさんが市に提出し、行政と協定を結ぶもとになった設立趣意書を見せていただきました。
日付は2009年6月、名前は 桜と石だたみを愛する会 とあります。注目すべきはその名前に「富士見坂」という地名がないことです。富士見坂という名前がつく前だったからです。(案内板は2010年1月設置)
公的な活動と位置付けられる
趣意書にはこの会の目指すこととして、
・この場所を地域の大事な財産として、行政だけでなく住民自身も環境保全や景観維持に尽力する
・行政にオーソライズされたものとして活動する とあります。
これでため息をつく必要がなくなったわけです。何か言われたら、指させばよい看板(前回紹介)も提供されます。
続いて活動範囲、活動内容、活動頻度等が記されています。
活動範囲は 石だたみ道と緑地および周辺道路 とあります。現活動範囲を今回編集部で作成したものが次の図です。

長続きの秘訣:個人の活動中心で行い、必要な時に集まって活動する
活動内容は前回記事に示した通りで、注目すべきは活動頻度 です。
「活動回数は2週間に1度程度とするが、実態は個人の活動とする。」とあります。
見慣れない書き方なので、この中身をSさんに聞いてみました。
「日時を決めて皆で活動するのは大変だし、個人の都合でやりたいメンバーもいる。人手が必要な時は声をかけるけど、基本は個人の都合でやることにしよう」ということになった とのことでした。
そして趣意書には最後に、5名が趣意書に確認・同意して発足した とあります。この5名とはそれまで個人で自主的に活動実績のあった皆さんたちでした。
「個人の都合で活動し、必要な時に集まる」というのも、発足の経緯を聞けば、長く活動する会の形なのかもしれないと思いました。
その後15年にわたり活動は継続中
その後毎年写真付きの報告書が出され続け、新たなメンバーも加わり、現在に至っています。
現在の代表は3代目に引き継がれ、初期メンバーの方も元気な方は続けておられます。
基本はこの場所を愛する人たちの静かな情熱があるからこその活動でしょうが、うまくそれを支える仕組み(美化ネットふじさわ)の裏打ちもあったのだろうと思います。

富士見坂も有名になって以前に比べて多くの方が訪れるようになりました。しかしここは静かな住宅地であり観光地ではありません。この場所を大事に整備している人たちがいることを知っていただき、マナーを守って訪れていただくように切にお願いいたします。
最後に 桜と石だたみを愛する会 の方からの伝言です。
「石だたみの道を通りかかったときに、周辺を掃除したり作業している人を見かけたら、是非お声がけください。」とのことでした。
資料・写真の提供を頂いた 桜と石だたみを愛する会 Sさん,YSさん,Mさん、他の多くの皆様にお礼申し上げます。今後もよろしくお願いいたします。(Reported By S)

