みんながやさしい気持ちになれるパンー生徒・先生・卒業生との思い出
片瀬洲鼻通りの老舗パン屋さん湘南堂のおばさん五島三江さんは片瀬中学(片中)と湘南白百合学園(白百合)の生徒さんたちとの思い出話が尽きません。
一枚のポスター
テレビの取材等の際の有名人の色紙と並んで掲げられているのがこのポスターです。
作者は近所に住むFさんで、当時白百合の小学校4年生でした。紹介ポスターを作るという授業で、一生懸命おばさんの話を聞いて、書きました。先生に褒められて報告に来てくれたそうで、それ以来店に貼ってあります。この話をするおばさんは本当にうれしそうです。今はFさんは大学卒業の頃で、ご本人もお母様も時々来てくれるそうです。「みんながやさしい気持ちになれるパン」このタイトルにすべてが表現されていますね。
卒業アルバムを見ながら
インタビューに持参した片中卒業アルバム(私の息子の10年以上前のもの)を見ながら、「みんなお嫁に行っても子供を連れて来てくれるのよ。大人になって外に出る子も多くて寂しいわねえ。あ、この髪の毛の子悪くて有名だったわね。でもこういう子の方が憶えているわ。N先生 パンが残っていると全部買ってくれたのよ。子供が楽しみにしてるからって・・。長い間にはいろいろな子がいてね・・」
子供にはちゃんと言うべき事言わないとね
「学校でも外でも色々悪い事をするやんちゃな子がいるものなの。先生も苦労していて、私も言って聞かせたりしたわね。良い悪いをはっきり言ってあげる人がいなくなっているのね。そういう子が実は素直な子という場合も多いのよ。古い卒業生が街で会った時、おばさん元気?と言って来るのよ。「片中に今でも行っているから元気だよ」とか言うと、「まだやってるの!?」って驚かれるのよ」
今年の成人の日には
「今年はコロナで成人式が中止になってかわいそうだったわね。でもその日、女子が5人振袖で来てくれたのね。次に男子が5人。それからいろいろ5人 15人くらいが寄ってくれたわ。式が無くなっても寄ってくれたのね。」「私はもう76だけど、運転大好きだし、息子はパンを焼いてくれるし、まだまだパンを売るわよ」
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そして卒業生の声
今回の記事を書くためにネットを調べていると、卒業後20年ぶりの同窓会の様子を紹介する片中卒業生のブログを見つけました。これも14年前の記事なのですがご紹介します。
その同窓会でお土産として紙袋に入った湘南堂のパンが配られ、これが一番ウケたのだそうです。大好きだったパンの思い出などが記されて最後に次のように締めくくられています。
そしてさらに思うのは、卒業後20年も経ってしまうと、先生はもちろん変っているし、近年校舎もスッカリ建て替えられて変ってしまっている。そんな中、20年前と変らず三角巾姿で学校に通い続ける湘南堂さんだけが、今では卒業生にとって一番懐かしいと思える場所になっているのではないかな、と。
まだ私が学生の頃におじさんが亡くなってしまい、それからおばさんが頑張って続けているパン屋さん。これからも卒業生何万人(?)のためにも、お元気で長生きしていただきたいものです。
片中・白百合卒業生の皆さん、湘南堂のおばさんは今日も元気です。卒業生のお父さんお母さん、この記事を教えてあげてくださいね。
(Reported By S&W)