輝く はね と キツネノカミソリ 上村文次
7月23日、新林公園の樹林地内の散策路上にヤマトタマムシのはねが落ちているのを見つけました。皆さんはタマムシ(玉虫)を知っていますか。
ヤマトタマムシは体長が4㎝ほど、緑色に赤いすじ、全身が金属光沢をしている大変美しい虫です。ヤマトタマムシの美しいはねの輝きは構造色と呼ばれる仕組みで、光の反射によって見られるものです。タマムシのはねは死後もその輝きは失われることがありません。
そのため、昔から装飾品などに使われ、法隆寺の「玉虫厨子」などがよく知られています。今回は、実物(成虫)を見つけることはできませんでしたが、はねを見つけることができました。
実は、2年前(2019年)の7月に新林公園の古民家裏でヤマトタマムシを見つけました。エノキ(榎)があるので、葉を食べにきていたのでしょう。成虫の餌はエノキの葉などです。 最近はあまり目にすることができなくなっているヤマトタマムシを観察することができました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
8月6日に広町緑地でキツネノカミソリが咲いていました。畑脇の斜面に群生していました。葉は早春に伸び、スイセンに似ています。夏には枯れます。葉が枯れたあと花茎が伸びて夏の後半(終わり)に花を付けます。今年は例年より10日から2週間ほど早い開花になりました。
同じ仲間のヒガンバナは先に花が咲きあとから葉が茂るのですが、キツネノカミソリはこの点で逆です。漢字で書くと「狐の剃刀」、名前の由来は葉の形をカミソリに見立てたとの説があります。それにしても面白い名前です。片瀬山周辺ではほとんど見られない珍しい植物です。