【サークル紹介】木曜サロン@コミュニティハウス

コミュニティハウスで交わされる多様な意見 異論反論活発議論が面白い!

毎週木曜日午前、コミュニティハウス片瀬山を舞台にリアルとネットのハイブリッドな場での活発な議論がされます。それが「木曜サロン」です。

そこでは、出席者の誰かが最近読んだ本や記事、自分の経験や知識等何でもよいからテキスト資料にして、それを素材に提案者が解説、出席者がそれぞれの考えを述べて議論をする という談話サロンです。

取材日はリアル出席者は10名(うち女性2名)、リモート(Zoomを利用)出席者は8名 2F多目的室にて 以前は1F談話室だったが、密を避けて今後は2Fが標準の予定

現在のメンバー登録は25 名程度で出欠は自由ですが、常連出席者の方を中心に、リアル・リモート合わせて毎回十数名の出席があります。コミュニティハウスが開所して約半年した頃、2017年3月にこのサロンは始まり、今年10月7日の会でちょうど200回を迎えました。

この日の2テーマの資料 今回はNet記事を編集した内容だった

資料は事前にデータで配られそれぞれで印刷して持参します。印刷ができない人のためにある程度司会側でも用意されます。
取材に伺った日の議論テーマは二つ。台湾では誰もが知る戦前の日本人土木技術者八田與一氏の話、東条英機の散骨についてそのひ孫が語った事 という内容で紹介と議論が行われました。数枚にまとめられたテキストを一通り皆さんで再読した後、議論が始まりました。自分の経験でテキストの内容に補足する方、反論をする方、別の角度でコメントする方、話が盛り上がります。

参加されている方は高齢ながら、ビジネス・官界・学会様々な経歴をお持ちで、海外経験はもちろん職業柄幅広い見識とご意見、それもかなり強固なご意見をお持ちの方が多くおられます。

司会の手元にあるPCでZoomの制御

今回も、東条英機のご子息と仕事で話をしたことのある方が思い出を語り、「東条に友人を殺された」との思いを語る方、東京裁判の正当性の議論になったり、適度な脱線とそこから話題が戻ってくる「あんばい」が絶妙です。時には激論になる事もあるとの事でしたが、そこは大人の皆さん、話を切り上げる頃合いを心得ておられる様子でした。

司会からリモート参加の皆さんにも意見を求めて、それに応じてかなりの発言がありました。この日最高齢はもうじき98歳の方、他に96歳、92歳といずれも90歳代の男性がおられます。その方たちも盛んに発言していました。コロナでコミュニティハウスが閉鎖となった期間、2か月程度開催できなかったそうですが、リモートも併用するハイブリッド方式で開催されるようになって、コロナの期間も安定的に着実に回を重ねる事ができました。むしろリモート参加が可能になって、以前より参加者が増える傾向にあります。

小型カメラ+マイク、小型スピーカー、モニター等快適なリモート参加のための機材も充実している

一通りの議論が終わって、出席者の皆さんにこのサロンについて伺ってみました。
まず最高齢のAさんにこの会への参加の理由を聞きました。
「資料を頂いて、自分の考えをまとめて議論の中で発言するというのはすごく頭の体操になるんですよ」これを聞いたBさんから「Aさんは他の方のお話をよく聞いて、短く寸鉄というか鋭い意見を言われるんですよ。そこがすごい」

90歳代のCさん「色々な方の意見が違うのが、大好きで面白いんですよ」
女性の出席者の方Dさんにも聞いてみました。「私はあんまり意見は言わないのだけど、私の父親の意見を聞いているような気がします。知らない事ばかりで面白いです。皆さん侃々諤々の議論をされるし」
一方でEさん「ご高説を聞くような立派なテーマ以外のもっと易しいものも取り上げてほしいなあ」という意見もありました。

この半年の間に取り上げたテーマ いずれもレベルが高く、世の中に石を投げこむようなタイトルが並んでいます

こうした意見も聞かれた所で、司会メンバーの方々はこれに対して、
「月に1回くらいは地域情報など身近なテーマを取り上げるようにし始めた所です。もっと多くの皆さんにテーマ提案をして頂きたいですね」と回答していました。さらに「今後はこのリアル+リモートのハイブリッド方式による開催を標準にしようと思います。それから、女性会員がお茶やコーヒーを出すのもやめます」と、今後の進め方では今の時代に合わせていく姿勢を示していました。
司会メンバーの皆さんの絶妙な仕切りについて伺うと、「結論は出さない、意見を押し付けない、揉めたら揉めたで構わない、という基本的な考え方で進めています」との事でした。意見が分かれそうなテーマを扱いながら、議論が活発で、出席者が面白くて参加した実感を感じられるように配慮されています。司会メンバーの凄腕と人生経験豊富な出席者双方の阿吽の呼吸を感じました。(Reported By S)