富士に湧く雲(北風、南風) 武井篤夫
富士見坂からの富士の写真をブログに載せ始めてから10年となった。
四季折々の富士の姿はいつ見ても美しい。しかし一日に十数回富士の姿を撮影していると雲一つない晴天の富士の姿はあまり変化がなくて物足りなくなる。実際は必ず雲が発生し、景色に変化が生まれてくるのを見るのが楽しみである。
また雲は様々な物や動物、鳥、魚、怪獣などと似た形や、太陽の光の変化に応じて色を変えたり、特に日没前後は夕焼けで素晴らしい色のグラデーションを見せてくれたりする。
風の強い日には、水蒸気を多く含んだ空気が富士に当たり上昇することで、断熱冷却による温度の低下で、水蒸気は水滴または氷晶となり雲を形成し、それが上昇気流と風の強さで、あたかも富士山から雲が噴煙のように湧き出して見えることがある。最近の例で北風と南風でこの雲がどのように成長してゆくのか、ご紹介しようと思う。
- 11月27日(土) やや強い北風の場合


山頂に生まれた小さな雲のかたまりがどんどん成長を始め、北風に流されて南、東に成長していく。



- 11月12日(金)強い南風の場合 この日は早朝から強い南風が吹いていた。





富士山の頂上付近から次々と雲が発生し、南風に乗ってあたかも富士の頂上から噴煙が立ち上っているように見えた。これらの雲は、周囲にたくさんの雲が集まってくると、それらと一緒になって大きな雲の集団を作る。風の強い日には富士山頂付近の雲の変化を楽しんいただきたい。