こんな機器ができています! 結構快適です。高齢者の移動について考える
ちょこっと情報でもお知らせしましたが、5月14日に電動歩行アシスト機器試乗会が南公園で開催され、参加してみました。これは片瀬山コミュニティハウス(5丁目 藤沢市地域の縁側施設)が、ロボテラス*(辻堂)から展示品を短期で提供(リース)してもらえることになり、それを使った試乗会**が実現したものです。今回で2度目だったのだそうですが、高齢者約10人の方が参加されました。ロボテラスの運営をサポートしている機材販売会社のスタッフの方がいらして使い方や機能の説明やサポートの元での試乗会です。
主に試乗したのが上記モデル(Whill社のModel C2)で、2分くらい教えてもらえれば、手元のハンドルの上下左右の動作とスイッチでの自走運転を簡単にできるようになりました。一回蓄電池にフル充電すれば約20km自走できます。最高時速は6㎞/hです。この機種はちょっと重くて52kgあるのですが、その反面安定感は抜群です。本体を簡単に分解できて、自動車で移動する旅行に行き、旅先で利用する事ができる というものです。
これは道交法上は「車椅子」の扱いなので、歩道も通れます。免許も不要です。そしてスーパー店内で使えます。
私も教えてもらい、ちょっと教えてもらうだけで自由自在に動かせるようになりました。すっかりいい気持ちになって公園内を自由自在に動き回り、ちょっとスピード出し過ぎてしまいました。とても快適です。従来の「車椅子」とは違うあらたな移動手段だと思いました。実際、Whill社のカタログには車椅子という言葉はなく「モビリティ」と書いてあります。
もう一つあったのが、同社のModel Fというタイプです。操作性はModel C2に近いのですが、前輪の方向駆動(オムニホイール)がないので、悪い路等での走破性能が少し落ちます。
一方で、軽くなっており折りたたみ可能という形でモデルC2と同様に車に乗せることができたり、玄関先においておく時に場所をとらない という利点があります。通常の平坦な街中の移動にはこれで足りると思います。ModelC2やModel Fは、車椅子が必要な方はもちろん、まだ必須でないが長い距離を歩くのが困難な方にも便利な機器だと思います。(カタログ比較表)
こうした電動車いす型のものに加えて、当日はもう一つ、電動アシストカートともいえるものがありました。RT.Works社のロボットアシストウォーカーと名付けられているRT2という機種名のものです。
これは車椅子が必要ではないが、長い距離を歩くのがつらくなってきた という人向けです。
登り坂ではアシスト機能が働き、下り坂ではブレーキがかかるので前のめりに進んでしまわないという点がポイントです。
やまかストアにはカートの助けを借りて買い物にはいけるけど、上りではしんどい、下りは寄りかかると危なく感じるというような方をサポートする事ができます。疲れたら座ることができます。
「やまかに行くのが大変で」という私の母にはこれが適当かも と思った次第です。
当日試乗されていた高齢者の方に感想を聞いてみました。
・「車が乗れなくなった時に困らないように知識を仕入れに来ました。80台はとにかく90歳代はさすがに無理だからね」
・「坂が登れることが大事なのよ。転ぶこと増えたわね」
・「いいものができてきたわね。将来的には免許証返上したら必需品になるわね」
今回サポートをしてくれたロボテラス運営に協力している販売会社(サンオータス社)の方に聞いた所、新品の購入、型落ち品の中古品購入、レンタルの利用等様々な入手・利用方法があるので、相談してみてください とのことでした。また通常は辻堂のロボテラスに展示されているので、使ってみることができます。
またこれらはいずれも 介護保険レンタル品の対象になっていますが、介護保険を使ったレンタルを希望される場合はケアマネ経由での相談が必要です。
また、今回は特別出演で、自動車メーカーのスズキが販売している「セニアカー」という電動車椅子もどなたか持参されて試乗が可能でした。
これは普通の車に近い感じがするので足もとが不安がなく、これが良い という試乗感想を持った方もおられました。現在は中古市場で数が出ているので、こちらも入手は可能だという事でした。但し、これはスーパーには入れないと思います。
編集ノート
技術の進歩で色々な移動手段が出てきます。上り下りの起伏のある片瀬山にあった移動手段を選ぶことで、高齢になっても住み続けられる街になる可能性があると思いました。開催を教えて頂きました片瀬山コミュニティハウスの皆さまにお礼申し上げます。
(Reported By S)
*【ロボテラス】国指定の「さがみロボット産業特区」内での「生活支援ロボット」の普及・啓発を目的として2014年から辻堂に設置されている施設 県内10市2町が参画
様々な生活関連のロボットが展示されて使ったり乗ったり触ったり等ができる。
**【試乗会】藤沢市共生社会推進室の発案で、「地域の縁側事業」の活性化策の一環として、ロボテラス展示商品の中から歩行アシスト機能を持つ機器を今回現場に近い「地域の縁側」にリースして使ってもらおうというプロジェクトが今年度4月からスタートしたことに基づく。