梅雨の晴れ間の日曜日の午後、片瀬山駅近くの「うたしろさんお茶のみサロン」にお邪魔しました。
高齢者を支える地域連携の試みとして
ここは高齢者を支える地域連携の場として鎌倉市の地元を担当する地域包括センター(聖テレジア第2)の後押しでできたサロンです。
とはいうものの、西鎌倉住宅地と片瀬山住宅地の境にあり、サロンのお宅は西鎌倉(鎌倉市)、お隣は片瀬山(藤沢市)という所です。参加者は藤沢市の方もたくさんいて、両市民の情報交換の場にもなっているようです、
設立経緯から、鎌倉の地域包括センターの地域連携担当の方が時々出席されます。この日もいらしていて、歌代さんも入れて8人での会になりました。
ホストの歌代さんが淹れてくださる美味しいコーヒーとお菓子付きです。
その日参加者した方の中には、タクシーで駆けつけた方や外出中にお怪我をしてまだ日が経ってない方も参加しておられ、月に一度のうたしろサロンを楽しみにされているのだなと感じました。
初めに鎌倉市の地元地域包括センターの方から、最近の電話相談について説明がありました。6月はコロナの影響でいつもより非常に相談件数が増え、ブレーカーが落ちて電気が使えない、助けて欲しいというものもあり、相談内容は多岐に渡っているという事でした。私は地域包括センターの仕事は、要介護認定申請や介護保険に関わる相談ができる所と思っていたので、このような相談にも対応して下さるとは知りませんでした。「65歳以上の方のなんでも相談所という位置付けです」と言われてましたが、高齢者の方には、心強い拠り所なのだと思いました。これを皮切りに話が始まり、介護、給付金、市政、参加者自身の経験談など幅広く話が盛り上がりました。
サロンに出席してみて・・
出席された方々にサロンの感想を伺ってみると・・
・「このサロンには、民生委員の方が出席される時もあり、有益な話が聞けて役に立っています。買い物送迎バスについて話が盛り上がって、ヤオコーさんに交渉に行ったこともあります」(藤沢市民の方)
・「高齢だけど、買い物・行きたい所に自力で行ける。デイサービスに行く必要を感じない。」(鎌倉市民の方 杖をつきながら、ゆっくり現れた高齢の方)
・「仕事の後、疲れていてもここに来て情報交換や雑談するのが楽しみ」(認知症・障害のある方のヘルパーをしている方)
・「鎌倉市政について色々意見がある」(鎌倉市民の方)
それぞれが意見を言いやすい場になっていると感じました。2時間のサロンが終わり、歌代さんの愛猫のメイちゃんがお見送りしてくれました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
議論が白熱した場面もありましたが、歌代さんはほとんど直接の介入はせず、真剣な話から身近で起きる切実なトホホな話まで、話の成り行きに任せて、皆さんが会話を楽しめるように心を配っておられるように感じました。こうした自由な会話の場というのは運営も難しいし、そこに自宅と時間を提供している歌代さんはどんな思いを持って始められたのでしょうか。そのあたりを聞いてみました。
北欧で見学した高齢者の姿がヒントに
歌代さんが、この会を始めたのは4年前だそうです。きっかけは、スウェーデンのストックホルムに1週間滞在した時、高齢者向けの病院、施設、住宅、コミュニティなどを見学した事だそうです。
スウェーデンでは、日本と比べて寝たきり状態のお年寄りが大変少ないこと、また延命措置は、多くの人は望んでいないこと。家族の中で介護しなければならない人が出た場合はローカルコミュニティがお世話をしてくださり、介護離職が無いこと。
病歴・薬の処方箋は個人のスマホに登録されており、病院を変えるときは改めて検査されず、スムーズに治療が受けられる事。
などなど知るにつけ、帰国してから包括センターの後押しで、この会を開くことにしたそうです。
ご近所の高齢の方々の安否確認にもなりますし、頼みごとがしやすい関係をつくりたいと考えたそうです。買い物バスを運行して欲しいと、スーパーに提案したり、市役所の生活課を訪ねて要望したりと現在も意欲的に行動されています。ご近所でしたら参加は自由なので、興味がある方は、おしゃべり会に参加してみてはいかがでしょうか。
(Reported by M)