【四季のお庭】百目柿

片瀬山には植栽を楽しむ家がたくさんあります。春には梅、桜、夏には紫陽花、木槿(むくげ)や芙蓉(ふよう)が咲きます。秋になると金木犀(きんもくせい)の香りに癒され、赤や黄色に色づいた葉が目を楽しませてくれます。

花ばかりでなく実のなる木々も多く、枇杷、アンズ、金冠、ザクロ、レモン、夏ミカン、柿、柚子、スダチなどなど。そして、今はいろいろな柿がたわわに実っています。これから折に触れて、片瀬山のお庭で見つけた素敵な四季をご紹介したいと思います。第1回は百目柿です。

いろいろな柿がなっています
実の付き方もさまざま

その中の一軒、 I さんのお宅にお邪魔して柿の木のことを伺いました。
I 家の奥様は「主人が大学入学祝いに東京の実家に植えた柿の木を片瀬山に家を建てた際に持ってきたんですよ。だからもう68歳くらいかしら。百目柿(ひゃくめがき)という品種で、百匁(ひゃくもんめ=約375g)くらいあることが名前の由来だそうです。」

Iさん宅の百目柿

「本来百目柿は渋柿で干し柿などにするそうですが、この木では渋柿と甘柿が一つの木になるんですが、どれが甘柿か渋柿かは見た目ではわからないんです。」

百目柿を切ってみると・・
百目柿の収穫

「渋柿は焼酎をつけて渋抜きをするけれど、甘柿はとても甘くて美味しい。黄色のところでなく茶色の筋が入ったようなところが甘いんです。」とおっしゃってました。
この柿も熟したころにはカラスがつつき、メジロやヒヨドリ、ムクドリがついばむとのことです。実のなる木は人間ばかりでなく鳥や小動物にとってもありがたいものです。
以前はミカンの木も3本あったそうで、おいしく実ったころになると夜にどこからか小動物(狸かハクビシンかリスか?)が食べに来たらしくミカンの皮だけが木の周りに残されていたとのことです。
「今年はスダチも豊作だったんですよ」とおっしゃって、収穫したスダチの写真を見せてくれました。

スダチ 15kg採れたそうです。

この庭にはほかにも立派な梅の木や紅葉があり、いつもどのようにして育てているのか気になっていました。全部奥様ご自身が剪定から施肥までするそうですが、最近は高いところは大変になったし、次から次へと生えてくる雑草には閉口しているとのことでした。このように丹精込めた庭だからこそ元気な樹木が育つというものですね。
最近は古い家の建て替えが盛んにおこなわれ、それと同時に庭の木々も少なくなってきています。公園だけでなく家の樹木も緑化には大きな影響があるように思います。

家を建てる時にはシンボルツリーを植えるなど何かしらの工夫があることで、よりよい住環境を保つことができるのではないでしょうか。 散歩のついでにお庭ウオッチングでもしてみたらいかがでしょうか。でももちろん果実は採らないように。
(Reported By A)
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