【いいね!ご紹介】勝たせ山駅と合格祈願キャンペーン–その1

湘南モノレール片瀬山駅をご利用の方も多いと思います。駅名板が毎年11月から翌年受験シーズンの間に変わっていることにお気づきでしょうか?今回はその駅名誕生の裏側と合格祈願キャンペーンの様々なことをお伝えします。湘南モノレール広報課長の花香(はなか)さんに振り返っていただきました。

駅の入口右上の駅名板(駅標とも言う)

話は2016年にさかのぼります。その前年花香さんは湘南モノレールに入社し、500系ラストラン、ピンクリボン車両導入、45周年イベント等大きな仕事を手掛けて、次に何をしようかと考えていた頃のことです。そうしたイベントのたびに地元の鉄道ファンの中学生が集まっていました。その中に片瀬山に住む少年がいて、ある時塾帰りの彼と湘南深沢駅(湘南モノレールの本社近く)で話をした時のことです。地元と一体になって何かできる企画はないのだろうかという話になりました。聞けば彼も受験生であり合格祈願などどうだろう という事で「合格祈願」企画が誕生したのです。そこから様々なアイディアがうまれ、その一つとして「片瀬山」を「勝たせ山」と読みかえようという事になりました。

ホーム内の駅名板


でも、単に駅名板を変えればいいというだけではありません。片瀬山という正式名称に加え、「副駅名称」を「勝たせ山」とする届けを関東運輸局に提出して了解を得る手続きが必要でした。そういえばバス停も含めて身の回りに結構副駅名称があります。間違える人がいてはいけない という制度なのですね。花香さんが例年駅名板を取替作業に駅を訪れた時、「こういうのいいわね!」と声をかけてくれたおばあちゃんがいたのがとてもうれしかったそうです。
そして、駅名板だけではありません。「勝たせ山駅硬券入場券」と「勝たせ山駅名看板キーホルダー」といった応援グッズも作っちゃいました。こうしたグッズはちゃんと江島神社の神主さんにお祓いしてもらうので数量限定です。これもすぐ売れり切れてしまいます。

硬券入場券の番号は0001です。
グッズ類は大船駅での販売です。


もうひとつ、この駅名板・合格切符・キーホルダーの図案には小さな秘密があります。「合格祈願サクラサク」という言葉が書かれていますが、これはモノレール沿線の桜の名所(鎌倉山や片瀬山公園)のイメージもありますが、片瀬山駅の敷地の端にある早咲きの桜のイメージも反映されています。例年この桜は年末から新年にかけて受験の前に花が咲いて受験生を励ましてくれます。この桜は実はその昔モノレールの社員さんが植えた桜なのですが、後年この合格祈願を思いつく参考になるとは思いもよらなかったことでしょう。

取材に訪れた1月2日は少し膨らんだつぼみが大半ででまだ3輪程度しか咲いていなかった

次回はこの合格祈願キャンペーンの全体についてのご紹介です。