23年12月【行ってみた】ごみのゆくえ 工場見学 その2

破砕工程 不燃・大型ごみから燃える物・金属を仕分ける そこは緊張の連続

◆破砕工程とは?
北部環境事業所の最新鋭の新2号炉を後にした私たちはリサイクルプラザに戻ってきました。次に見せて頂いたのが不燃ごみと大型ごみの「破砕工程」です。不燃ごみと大型ごみを処理するというのは、これら「燃えるものと金属がくっついて扱いにくいもの」を巨大な装置で粉々に砕いて(破砕)、燃えるものは焼却炉に送り、金属は仕分けて取り出す ということなのです。実は私も「不燃ごみは埋立処分?」と思っていたのですが、確かにこうしないと不燃ごみがあふれてしまいます。画に書くと下記のようなフロー図のオレンジの枠に示す部分です。

具体的には、まず最初に45cm以下の大きさに破砕(低速)、続いて15cm以下に破砕(高速)、それから仕分けて金属を回収し、残りの燃えるものは焼却炉に送ります。平均的には鉄13%、アルミ1%、残渣86%程度に分けらて、この残渣は北部事業所の焼却炉で焼却され、発電するためのエネルギーとして役立ちます。

7月の講座の資料から

破砕工程の入口
見学コースから見えたのは次の写真のような巨大な施設です。ピットにためられた不燃ごみ・大型ごみをクレーンで掴み、破砕機の入口である投入ホッパに落とします。

破砕工程の中央制御室からのごみクレーンの操作 投入ホッパに落とすところ 1トン掴めるそうですが、揺らさずに運ぶ操作が難しいそうです。左下にオペレータの方の頭が見えています

不燃ごみは低速破砕機→高速破砕機を通って粉々になります。外からは見えませんが破砕機の中はこんな感じです。(7月の講座資料写真から)

鉄製のハンマーを高速回転させ破砕する

◆破砕工程中央制御室は緊張の連続
この工程を監視している職員の方のお話を聞く事ができました。

モニターを見ながら「不燃ごみというのは正直、何が入っているかわからないのです」「特に最近問題になるのが電池です。電池が破砕機に入ると火が出て、ラインを停めなくてはならないのですが、それがしょっちゅうおきます」と言っている最中のことです・・・

破砕工程の中央制御室にあるモニターで注意深く確認
左上:不燃ごみ受入ホッパー、右上:低速破砕機入口
左下:高速破砕機入口、右下:高速破砕機出口

中央制御室の赤いランプが点灯して皆さんに緊張が走りました。モニターを見てキーボードを叩いたりしていましたが、しばらくしてランプが消えました。職員の方が解説してくれました。

中央制御室にある異常発生を知らせる赤ランプが点灯

「今、ちょうど発火が起きてしまい、機械が停止して、自動で散水しました。火が消えたのを確認してから運転が再開されました。」「今回は消えたからよいのですが、なかなか消えない場合もあって、数年前には機械が壊れてしまい、さらに修理の間不燃ごみもたまってしまい、大変でした。」
ここは一刻も油断できない職場なんだと実感しました。

制御室で工程監視に使っているモニター

確かに私たちも不燃ごみには何でも入れてしまう傾向があります。「くれぐれも電池や可燃ガスが残った缶等は絶対に不燃ごみに入れないでくださいね。これらは特定品目で回収していますから。可燃ガスの入った缶は穴をあけてあれば普通の缶の時でOKです。」と言われました。はい、そうします!
見学参加者の感想から
・ガスボンベや電池による出火が日常的にある事を知り、注意や意識の啓蒙が必要だと思いました。
・毎日のように火災のアラームが鳴る事に驚きました。私たち一人ひとりの心がけで忘れてはいけないですね。気を引き締める良い機会になりました。
(Reported By W&S)